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【商圏2】

診療圏を設定すると、さらに市より小さい町単位でのセグメントが見えてくる。そのセグメント別の来院者のシェア分析がエリアマーケティングでは重要となる。

地域特性などの分析結果により、市場に最適な診療科目、医師数、従事者の配置を設計すべきである。まら地域のライフスタイルに合わせた診療時間などきめ細かい対応も決まってくる。特にマーケティング上、重要なのは、競合分析であるが、その前にPR活の有効性を検討することが経費対効果の上で重要である。

例えば、農村の集積地及び高齢者の多い地域では広報誌やホームページの効果はあまり期待できず、キーパーソン(教育者・政治家・民生委員など)もよる口コミや健康相談などが重視されなければならない。

また高齢者の少ない都市部や商店街などはホームページや広報誌は非常に有効な手と言える。

このように地域特性や文化を配慮した上で広報戦略を考察し、費用対効果の高い方法を追及すべきである。

各県ごとに県民性があることは患者対応の方法に違いを生ずるが医療マーケティングでも、例えば関西では滋賀県は昔から回廊市場と言われ通過型市場特性の強い県民性なので京都への患者移動に拍車がかかっている。このうな回廊市場は全国にはまだまだ山ほどある。

一方、大阪、京都、神戸のような大都市ではその隣接県(奈良、和歌山、岡山など)は影響を大きく受けざる負えない。

近隣県は人口増加もまだ持続的で新規参入医院の可能性も非常に大きい。またPR活動も都会型の大規模な広報戦略を取らなくてもホームページと看板だけでも有効な手段と言える。

各県には、戦略的に重要な市が必ずある。第一次拠点(政令指定都市)の地域では、知名度の高い医院が適しており、弱者は専門性の高い医院にして局地戦を狙うほかない。また、強者であれう知名度の高い医院でも地域規模が広すぎるためサテライト医院を作るなどしなければ地域の囲い込みは難しい。

第二次拠点では(政令指定都市以外の都市部)有名医院はサテライトも開設する必要もなく、診療科目の充実を常に心がけることで足りる。弱者としての他の医院は診療圏が必然的に広くなるので、さらに診療圏を細分化して、強者の手薄な地域から集中的に広報活動を行い囲い込むべきである。

第三次拠点では(第二以外に農村部など)、有名医院では規模が小さすぎる場合がある。ここで専門性の高い方向を目指すか、一般診療で大体の人々が通える医院を作るのかは院長の戦略次第といえる。専門性が高ければその分門戸は狭くなるが、必然的にファンとして通い続ける可能性が高い、広く浅くか、狭く深くか将来の経営を考えて腰を据えて決めるべきである。