2024.10.01 works
クリニックの提供する医療とサービスの品質が患者満足度向上の点から改善がなされていなければ、マーケティング戦略は有効に働かないということを述べてきた。
クリニックの経営がうまくゆく大きな前提条件として、クリニックの経営姿勢、特にクリニックのアイデンティティ、経営理念が定まっていることが挙げられるが、これらが定まっていない場合、マーケティングはその検討に戻らなければならなくなる。特に広報誌やホームページに掲載する情報は、クリニックの経営姿勢のいたるところに顕在化する。
クリニック内部の矛盾が露呈する結果としてマイナス効果もパブリシティーにはありうるのである。そこで総合戦略として、クリニックのアイデンティティとその評価としてのコア・コンピタンスおよび顧客満足CSについて再度確認しておきたい。
クリニックは非営利法人であり収益を図るよりも社会的使命があることがよく言われるが、社会的使命とは何だろうか。住民が必要とする医療は何であろうか。それは想像で決められたものではなく、市場調査した内容そのものでなければならない。マーケティングは各種ツールを用いながら地域住民の医療ニーズを的確に把握しようとしているのである。
ただ、自院のもてる経営資源との適合性において自院にふさわしい市場でのありかたを選択するに過ぎないのである。つまり自院の市場における存在意義を明確にすることである。
それを別の言葉でいえば《自院のアイデンティティ》である。アイデンティティが自院の経営理念に的確に表現されていれば問題はない。さらに、その経営理念が全職員に理解される程度にまでに徹底されることがベストである。それには、アイデンティティが自院の固有のコア・コンピタンスにまで高められなければならない。