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情報過多に患者は敏感になっている

孫子の兵法に【敵を知り己を知れば百戦危うからず】という有名な言葉があるが、競争相手がだれか、どのような戦略を打ち出していのかを調査しなければ戦略は成り立たない。

従来の医院経営では、こんな言葉自体考えなくてもよかったのだが、時代はそうはさせてはくれず患者獲得競争は今もし烈を極めている。広告宣伝しようとしまいと、情報発信している医療機関の中から患者は病院を選択する時代に突入しいることは周知の通りである。医院の今後の生き残りには市場分析と同様に【競争目標】【攻撃目標】の医院を特定し分析しなければならない。

ランチェスター戦略では、攻略の相手は上位者の【競争目標】ではなく、足元の相手を【攻撃目標】としている。また自院のランクと上位との射程距離によっては、規模の小さいエリアにターゲットを絞り、そこでNo1を確保し、規模の小さい地区から順次拡大するのが【弱者の戦略】の原則である。

また地域No1の医院の場合は、下位の戦略を見て、下位の医院の真似をすれば勝てることから、下位の医院の観察は常に必要である。下位の攻撃目標のみならず、上位の競争目標の戦略も分析しておかねばならない理由はここにある。

さらに、自院が空いての立場ならどのような戦略を立てるのか仮設を立て、競争相手の動向を長期に観察していれば、その軌跡を読めば見えてくるものである。なぜなら、戦略は長期に渡る一連の積み重ね行動の所産であるから、目先の行動ではなく過去からの行動を連結して軌跡を読めば、見えてくるはずである。

戦略の恐ろしいところは長期の積み重ねの組織行動で、競争相手が急に真似をしても簡単には追いつけないところにある。これこそ差別化である。したがって自院の戦略も積み重ね効果による差別化が出るよう、途中で変更や中断がされないよう、経営理念、コーポレートアイデンティティ、コア・コンピテンシーなどから慎重な検討が必要である。同様に競争相手のわずかな変化も戦略変更か戦術かを見逃さず、分析することが最重要である。