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昨年6月。“医療法”の改正法が公布されました。

この法律が1年以内に法律に則り、ホームページの記載を改正しなければならない、ということで今回お話しておきます。

 

 

 

その内容の目玉の一つが「医療に関する広告規制の見直し」で、すでに次のような方針が決定しています。

【美容医療サービスに係るホームページ及び事前説明・同意に関する建議(消費者委員会 平成27年7月)】

1.医療機関のホームページを医療法上の「広告」に含めて規制の対象とすること。

2.(1が行うことができない場合)少なくとも医療法に基づき禁止している虚偽広告や誇大広告等については、医療機関ホームページについても禁止すること。

「医療法等の一部を改正する法律の概要(医療に関する広告規制の見直し)」の掲載より抜粋

インターネットを使った情報発信や集客が一般的になり、多くの人がホームページを閲覧するようになったことで、医療機関ホームページが原因の消費者トラブルが増加しています。

以前からホームページが広告規制の抜け道になっていると問題視されていましたが、ここにきて厚生労働省が本格的な対策に乗り出したのです。

今回公布された法律は、施行が公布日から1年以内と定められています。

2018年6月までに、医療機関ホームページに対する規制が開始されるという法律です。

しかし、現在「広告(看板・チラシ等)」で認められている項目は、医師名・診療科名・提供される医療の内容など、非常に限定的です。

もし、ホームページまで「広告」として規制が適用された場合、情報提供の場としてのホームページの魅力まで損なわれ、患者が知りたい情報が得られなくなる可能性もあります。 そのため、現在、いくつかの規制を例外的に解除することが議論されています。

 

 

具体的にどのような表現が問題になるのでしょうか。

広告表現などに問題があった場合、都道府県の担当者などから行政指導や是正命令があるのが一般的です。

正当な理由なくこの改善命令に従わなかった場合、実際に罰せられることになります。

しかし、行政指導や是正命令を経ずに直接刑事罰が適用されるケースがあります。

その代表的なケースが、

・虚偽

・薬機法違反

・著しい誇大

の3つです。

しかも、この3項目の根拠は“医療法”ではなく、“景品表示法”と“薬機法”なので、現状でもホームページに適用されるということに注意しなければいけません。

クリニックのホームページで特に注意しなければならないのが未承認医薬品の広告です。

厚生労働省の認証が得られていない薬品や治療法の広告だけではなく、認証を受けていない使い方の広告も“薬機法”の違反にあたります。

また、病人が回復して元気になる姿のイラストや写真を載せることも、「回復を保証する」という誤認を与える恐れがあることから、“景品表示法”違反で行政処分の可能性があると考えられます。

矯正歯科治療の治療前、治療後などもよくある掲載でしたが、これも拡大解釈すればOUTになってきます。

そしてもちろん虚偽の記載は処分の対象です。 責任ある医療機関として、ホームページの内容に虚偽・薬機法違反・著しい誇大にあたる表現がないか、いま一度確認することをお勧めします。

 

ホームページを制作する上で重要になってくるのは、どのような表現なら掲載してもいいのかです。

 

 ホームページに掲載すべきでない事項

内容が誇大なもの又は医療機関にとって都合が良い情報等の過度な強調

1.任意の専門資格、設備認定等の誇張又は過度な強調

医療機関の広告では、医師56種、歯科医師5種(2017年9月現在)の資格名についてしか広告することができません。(一覧は厚生労働省HPを参照

たとえば歯科医師なら、「口腔外科専門医」や「歯周病専門医」といったものです。 客観的に活動実績があると認知されている団体を除き、これら以外の資格をホームページに列記することは、内容が誇大だと指摘されてしまう可能性があります。

2.手術・処置等の効果・有効性を強調するもの

撮影条件を意図的に変えて撮影した手術前後の写真を掲載することは、ホームページを訪れた人に誤解を与えるおそれがあるため規制の対象になる可能性があります。『医療広告ガイドライン』では、治療の前後のイラストや写真を載せることは、治療の効果を保証する表現にあたるため、広告できないとしています。 手術などの治療結果としてではなく、症状の写真として掲載することも、治療の効果の表現にあたるため広告できないとしているのです。

しかし、これではホームページを訪れる患者の知る権利をも損ねてしまうおそれがあるため、ホームページにはどのような事例を掲載することができるのかについて、現在議論が行われています。 なお、治療結果について分析し、その結果を発表する旨については広告することができます。 また、患者の求めに応じて治療成績を提供することには問題ありません。

3.医療機関にとって便益を与える体験談の強調

たとえば口コミなどの体験談の中から、病院にとって有利になる感想だけを意図的に取捨選択して強調することは、ホームページを訪れる人に誤解を与える原因になるため望ましくありません。 口コミだけではなく、雑誌や新聞などの記事からの抜粋もこれに当たる可能性があります。

しかし、それでは客観的事実も掲載できなくなってしまうおそれもあり、最終的にどのような位置づけになるかは現時点で決められていません。 一方、雑誌社やテレビ局からの依頼に応じて記事を出稿したり、出演したりすることは広告には当たらず、まったく問題ありません。

(7)医療法以外の法令で禁止されるもの

薬事法

“薬機法(旧薬事法)”では、承認前の医薬品・医療機器の名称、効能・効果、性能などについて広告することが禁止されています。 そのため、たとえば歯科における「インビザライン」「3mix法」「レーザー」などはホームページでも規制の対象になってしまう可能性があります。

“改正医療法”の施行後は、“薬機法”で承認されていない医療機器や医薬品を使った治療方法については、「全額自己負担」「自由診療」などと注釈をつけたとしても原則として広告できなくなると考えられます。 ただし、ホームページの「情報提供の場」としての役割を損ねてしまうおそれもあるため、例外規定の必要性があるかどうかについて現在議論が行われています。

 

 

以上、長々と話しましたが、今回のガイドライン改正はクリニック様にとっても私たち制作業者にとっても非常に厳しいものとなりました。

ただし、ホームページで医院の紹介が出来なくなる、ということは経済の観点から考えてあり得ません。

しかしながら、あなたのホームページをそのまま放置すると規制の対象になるかもしれません。

是非、詳しい業者に相談することをお勧め致します。

 

もちろん、我々Ambitionは、これからも医療広告規制を考察した上でのWEBサイト制作を続けてまいります。

最後までお読みいただきありがとうございました。