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①地域医療計画でフリーアクセスを抑制できる可能性

地域医療計画では、都道府県単位で一次医療から三次医療まで、各医療機関が役割、機能分担を果たす体制を目指すことが、1993年の第二次医療法改正で示された。

これが想定どおり完成すれば、患者が他県で受診することは許されず、フリーアクセス性を廃止または制限してもよいことになる。

そこまで規制が強化されるならば、その時市場競争原理は働かず、マーケティングも必要なくなる可能性がある。

しかし、第二次医療法改正から20余年後の現在、第5次では病床規制の廃止、急性期と慢性期の峻別、介護施設とのケアの継続性など患者側にたった医療改革の推進とこれまでとは異なる方向性を示している。これは医療の質に関する地域格差是正、均質化への方向転換といえる。

地域医療計画による医療機関の役割、機能は県単位での医療の質が均一であってこそ達成できるという前提があった。

ところが、最近国民にも明らかになったことは、

①医療技術の格差

②医師の偏在

③かかりつけ医育成システムの欠如

④病院機能の分化進行の遅延

など医療の質の格差と医療の購買を示す要因ばかりである。

すなわち、地域医療計画の推進にブレーキとなる要因が明白となったのである。

さらに、財政難から県単位での地域医療計画もさらに広く大きな傘に拡大する可能性も出ている。

これらを鑑みると、混合診療解禁や広告規制の更なる緩和など市場競争原理の導入によって改革の促進をしたほうが、効果が大きいと政府では考えられているように判断される。

したがって、地域医療計画は、システム設計の方向性としての妥当性もあり、国家の戦略に相応しいといえるが、フリーアクセスとは切り離して考えるか、規制しない方向で検討せざるを得ないと考えられる。すなわち、市場競争現地は生かしながら、地域医療計画を推進する方向にあると推察される。